2020年2月の対局
2月4日(水)
第78期順位戦C級1組9回戦
先手藤井七段 後手高野六段
2月11日(水)
第13回朝日杯将棋オープン戦準決勝
先手千田七段 後手藤井七段
2月18日(水)
第31期王位戦挑戦者決定リーグ白組
先手羽生九段 後手藤井七段
まずは順位戦。
藤井七段昇級おめでとうございます!
今回の対局は昇級のかかった大一番でした。
対局は前例のある対局で、その前例というのは前期の順位戦(先手藤井七段/後手近藤五段)でした。
この対局は前期順位戦において昇級を逃すこととなった手痛い対局でした。
この前例に導いたのはどちらか。
高野六段のインタビューから推測するに、高野六段でしょうか。
もしそうであるならこの前例の選択はプロ棋士の心理戦とも、獅子千尋の谷的な思惑ありとも、私には思われました。高野六段の心中は知る由もありませんが、藤井七段は立派に受けて立ち見事に勝利をおさめました。
"若者よあの日の対局にあなたは勝った。心置きなく旅立ちなさい"
対局後の高野六段からは、そんな声が聞こえてきそうな気がしました。
順位戦の前後に高野六段のインタビュー記事が公開されましたね。
面白いエピソードを交えながら、40代半ばを過ぎた棋士の等身大の姿が語られ、この先何度も折に触れ読み返したくなるような素敵なインタビュー記事でした。
藤井聡太七段との対局に向けて 47歳おじさん棋士は「今までにないほど勉強している」
今期好調、高野秀行六段インタビュー
https://bunshun.jp/articles/-/30416?page=1
「ジェット機に乗って楽しく旅ができた」藤井聡太七段に敗れた棋士の“充実感”
高野秀行六段に後日談インタビュー
https://bunshun.jp/articles/-/34466?page=1
朝日杯準決勝
千田七段優勝おめでとうございます。
遠山六段の記事を拝見したところ、将棋AIを使った研究に定評のある千田七段にしては意表をつくAIが推奨しない手を指していたようですね。
もしかしてAI的正攻法では藤井七段に対しては分が悪いと考えたのだろうかと思ったりしました。
そしてふと佐藤康光九段を思い出しました。
佐藤康光九段は昔は緻密流と言われ、とても正統派の将棋を指していたそうです。ですがそのままでは羽生九段に勝てないと考え、今のような誰も真似出来ないちょっと変わった棋風を身に着けたと言われています。
優勝した千田七段に賞状を授与したのは佐藤康光九段でしたが、もしかしたら見えない"何か"も授与
されたのかもしれないなと思ったりしたのでした。
遠山六段の記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/tooyamayusuke/20200212-00162711/
王位戦挑戦者決定リーグ戦
初戦、見事な勝利!
藤井七段おめでとうございます。
インタビューの受け応えが素晴らしかったですね。
「まだ対戦自体が多いわけではないので、自分が勝ち上がることで対戦を増やしていければと思っています」
インタビューという即席の場でこういった言葉が出てくるというのは、子どもの頃から今も変わらず羽生九段への敬意を持ち続けているからこそだろうなと思われます。
藤井七段、本当に素晴らしい若者ですね。
さて、次回対局は3月3日の順位戦ですね。
相手は真田八段です。
角換わりの本を一冊、矢倉の本を数冊出されていますね。先手は真田八段、どのような戦法で来るのでしょうか。
いつものように楽しみながら応援したいと思います!