2020年9月の対局

2020年9月9日(水)
第79期順位戦B級2組4回戦
先手谷川九段 後手藤井二冠
76手までで藤井二冠の勝利。

2020年9月12日(土)
第41回将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦
先手藤井二冠 後手豊島竜王
108手にて藤井二冠の投了。

2020年9月22日(火)
第70期王将戦挑戦者決定リーグ1回戦
先手藤井二冠 後手羽生九段
80手にて藤井二冠の投了。

 9月に入っての初めての対局は順位戦でした。
タイトル保持者となってからは初めての谷川九段との対局でした。
谷川九段は対局開始よりも大分早くに対局室に入られ下座に着座されたそうです。年若いタイトル保持者を上座下座で煩わせまいとする心遣いのように思われました。
 永世資格保持者としては現役最年長の谷川九段が下座に着かれたからには、この先もう誰も上座下座で茶々を入れることの出来る人はいないでしょう。
谷川九段の心遣いはファンとしてありがたく思われました。

 豊島竜王、羽生九段との対局は横歩取りの対局でした。
羽生九段が横歩取りの戦型を選択したのは豊島竜王との対局を見てそうしたのではないかというコメントを見ました。
にわかの観る将でよくは知らないのですが、羽生九段の対局はこれまでずっと相手の戦型を受けてのものだったそうです。その羽生九段が自ら戦型を選んで対局に臨んだというのは特筆すべきことのように思われました。
 つまらないプライドなど羽生九段にはないのだと思われます。ただあるのは面白い将棋を指したい、将棋の可能性を感じる将棋を指したい、という思いだけなのではないしょうか。
藤井二冠とそういった対局が出来るのは、横歩取りだと思われたのでしょう。
 百戦錬磨の獅子が用意の戦型で戦いを臨み、若き獅子がそれを受けて立つ。
両者の対局には受け継がれる王者の系譜を見たように思われました。