2020年10月の対局

2020年10月1日(木)
 瀬戸市で『藤井二冠お祝い花火』が企画され約200発もの花火が打ち上げられました。
YouTubeで拝見しましたが美しい花火の数々でした。藤井二冠のおかげで素晴らしい花火を鑑賞することが出来ました。
 「まだまだ大変な時ですが、多くの人の気持ちが上向きになるといいなと思っています」。
新聞記事に載っていた藤井二冠のコメントです。
棋士としてのいつもの固いコメントではなく、瀬戸の藤井さん家の聡太君といった感じのコメントで読みながら藤井二冠の柔らかな表情が思い浮かびました。
 不要な推測ですが藤井二冠はこのお話しが来た時、ありがたく思いつつも一旦は断ったんじゃないだろうかというような気がしました。
表にでることを可能な範囲で避けてきたであろう藤井二冠のこれまでを見ているとそんな気がしました。それでもきっと娯楽から遠のいている市井の民の為にも、また使命感を持って日々業務にあたられている医療従事者の方々の為にも花火を打ち上げて皆の気持ちを明るくしたいといったような説得があって藤井二冠はその意を酌み、今回の打ち上げ花火の企画に応じられたのではないだろうかと思われました。

 藤井二冠や企画された関係者の方々また藤井二冠の近くにいて盛り上げて下さる瀬戸市の皆様に感謝申し上げます。

2020年10月5日(月)
第70期王将戦挑戦者決定リーグ2回戦
先手豊島竜王 後手藤井二冠
171手にて藤井二冠の投了

 熱く渦巻くマグマは噴火口に到達する前に、山肌の薄くなっている所から噴出してしまった感じでしょうか。

 藤井二冠と豊島竜王が初めて盤を挟んだのは2014年12月、藤井二冠が小学六年生の12歳そして豊島七段(当時)が24歳の時だったそうです。対局は豊島七段の勝ち。
その日の豊島七段との対局が12歳の少年の心に強い印象を残したのは想像に難くありません。
12歳の聡太少年にとって24歳のプロ棋士豊島七段はとても大きく感じられたことでしょう。
けれど18歳と30歳の差はその頃と同じではありません。
きっと近い将来、12歳の少年の心に刻まれた記憶を塗り替える日が、乗り越える日が来ることを信じています。
その日を楽しみに待ちたいと思います。

 さて21日(水)は順位戦ですね。
対局相手は村山七段です。
前回の対局は叡王戦、戦型は先手村山七段の角換わりでした。今回はどんな作戦を準備されているでしょうか。
藤井二冠の久々の対局!
いつも通り楽しみながら応援したいと思います。