第78期名人戦C級1組順位戦2回戦

先手藤井七段 後手堀口七段
47手迄で藤井七段の勝利。

藤井七段おめでとうございます。
堀口七段お疲れ様でした。

初手合の堀口七段との対局は見る者にとっても"未知との遭遇"でした。
それでも藤井七段は場の空気に飲まれることなく自身の維持に努め、自分の将棋を指し勝利を納めたのでした。
何事にも揺るがされることがないという、藤井七段の強さの根幹が表れた一局だったように思われました。

午前中に終わった対局、午後の授業に出席出来たでしょうか。
いつもと同じ環境で一日を過ごし終えていたなら幸いに思います。

さてさて、明日は竜王戦ですね。
壁を突き抜けるのか、よじ登るのか、はたまたトンネルをくぐるのか。壁の向こうに行く術は一通りではないでしょう。
"盤上のマエストロ"はどんな発想でもって"捌きのアーティスト"を攻略するのでしょうか。
戦いを楽しみながら藤井七段を応援したいと思います。

(余談1)
本局の記録係は石川三段でした。
開始前のハプニングや開始時間のオーバーにも関わらず、適切に対応し滞りなく進行していったのは見事でした。

堀口七段が躓きかけてバランスを保ったような体制で静止していた時に、助けようと立ち上がり、(堀口七段が体制を立て直したので)その必要がないとわかるとそのままお茶を淹れに行き、堀口七段が盤の前に座ったタイミングでお茶を差し出した流れの無駄のなさは素晴らしかったです。
四段昇段応援しています。

(余談2)
順位戦の組み合わせが決まった時から堀口七段のことについては目にしていました。
それでも今回の出来事については予想外で、16歳の少年を前になんという姿を見せるのだと正直思いました。

棋戦優勝もしたことのある優秀だった棋士がどうしてこうなってしまったのか。原因は知る由もありませんが、何かしらのケアが必要なことは明らかなように思われます。
今回のことを契機として困難を抱える棋士に対応する体制が連盟内に整うことを願うばかりです。

もしかしたら今回の対局は将棋の神様が、漆黒の宇宙をひとり彷徨っている棋士の姿を見かね、皆に喚起を促すために設けた対局だったのかもしれないとも思うのでした。