2/16(土)第12回朝日杯将棋オープン戦

準決勝 先手行方八段 後手藤井七段
120手迄で藤井七段の勝利。
決勝 先手渡辺棋王 後手藤井七段
128手迄で藤井七段の勝利。

準決勝では私設応援団率いる行方八段に真綿流にて勝利!
決勝では今や絶好調の渡辺棋王に見る者を驚愕させた一手44竜を放ち勝利!

この日の対局のハイライトはやはり44竜でしょうか。勿論、見る将初心者の私にはこの一手の意味は分かりません。
ですので解説の深浦九段をはじめ多くの人を驚かせたこの44竜という一手の意味を検索し、調べてみました。

・目的 王を詰ませる際に邪魔となる角をどかせること
・条件 自陣の不詰みを読みきっていること

これは王手ラッシュのかかる冷や汗の出るような手順の勝ち方だそうです。
この時すでに一分将棋でした。
心理的プレッシャーのかかるなか、よくぞ詰みを見つけ読み切ったものだと思います。
さすが詰将棋日本一の藤井七段です。
この44竜に詰将棋解答選手権4連覇者の矜持を見たように思いました。
そしてこれからいくつもの大勝負をしていくであろう、渡辺棋王への挨拶状のようにも思われました。

対局後、スピーチを都合4回もし、インタビューや写真撮影に応じていた藤井七段。
最初は固かった表情が徐々にほぐれて、杉本師匠と2ショット写真の頃にはいつもの優しげな笑顔も見られ、勝負の凄さを感じるとともに、こういった表情の変化が見られるのも公開対局ならではだなと思いました。

朝日杯二連覇、おめでとうございます。

余談
この対局のもう一つのハイライトは渡辺棋王の対局中の表情だったでしょうか。
浮世絵に出てきそうなその表情を見ながら盤を挟んで向かい合う二人を見ていると、ふとこんなセリフが浮かんできました。
「姓は藤井、名は聡太。人呼んで詰将棋の聡太と申します。以後、お見知りおきを」。